労働基準法
労働基準法(電子政府のHP内)

理念

労働契約
 労使間で労務給付に関し締結する契約。

労働協定
 使用者と労働者の過半数を代表する者、または労働組合との間で合意に基づき労働条件を設定する事項。36協定
*1・変形労働協定など。

均等の原則
 賃金等の労働条件について男女もしくは国籍・信条等を理由に差別的な扱いをしてはならない。

期間
 期間の定めを設ける場合、原則3年以内。60歳以上の労働者、専門的な技術・知識等厚生労働大臣の定める基準に該当する者は5年。

解雇
 労働者を解雇する場合、解雇の予告は30日以上前に行うこと。解雇の予告をしない場合30日分以上の賃金を支払うこと。
 労働者が業務上負傷、または疾病にかかり療養のため休業する期間及びその後30日間、産前産後の女性が第65条の規定により休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない。

雇用条件の提示
 使用者は労働者に対して賃金・労働条件を書面に明示し、交付しなければならない。
書面を交付し明示する事項 定めのある場合明示する事項
労働契約期間 最低賃金
就業場所 賞与等臨時の賃金
業務内容 休職
始業・就業・休憩時間 退職金等
休日・休暇・就業時転換*2 食費・作業用品等(労働者負担の場合)
賃金の決定・締切・計算・支払時期と方法・昇給 災害補償・業務外疾病の扶助
退職 表彰及び制裁
その他当該事業場の労働者のすべてに適用される定め

賃金とは
 名称の如何を問わず、労働対価として使用者が労働者に支払うものすべてをいいます。

賃金5原則
原則 内容 例外
通貨払 支払は日本通貨で。外国通貨や
小切手による支払は違法。
@労働協約に別段の定めのある場合
 現物給付、通勤定期券の支給、住宅の供与等は労働協約に定めておくことにより認められます。
ただし、労働協約は使用者等と労働組合との間の協定です。労働組合員以外は認められません。

A賃金と退職金等について、使用者が労働者の同意を得た場合
 賃金は、労働者が指定する金融機関の労働者名義の預貯金口座への振込み、または労働者が指定する証券会社に対する労働者の預り金への払い込み。
 退職金等は、賃金と同様金融機関、証券会社と金融機関が自己宛に振出し、若しくは支払い保証した小切手又は郵便為替の交付。
直接払 直接労働者に支払。(未成年者
含む)
@本人の使者として受取りに来た者に支払うこと
A労働者派遣事業の事業主が、派遣中の労働者に派遣先の使用者を通じて支払うこと
全額払 全額を支払。 @法令に別段の定めがある場合
 給与所得税の源泉徴収、社会保険料の控除等は認められます。
A任意控除
 購買代金、社宅等の賃貸料、労働組合費等の控除は、労使協定を締結すれば認められます。
毎月1回以上払 毎月1日から月末までに、最低
1回は支払うこと。
当然、日払い・週払いもOK。
@臨時に支払われる賃金・賞与等
A1ヶ月を超える期間の出勤成績により支給される精勤手当
B1ヶ月を超える一定期間の継続勤務に対し支給される勤続(皆勤)手当
C1箇月を超える期間にわたる事由によって算出される奨励加給又は能率手当等
一定期日払 毎月一定の期日に支払う。 @金品の返還(法第23条)
 労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、七日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。ただし、賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない。
A非常時払(法第25条)
 労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。

休業手当
 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金
*3の100分の60以上の手当を支払わなければならない。ただし、3年経過しても治癒しない場合、1,200日分の打切保証をもって解雇できる。

補償
 労働者が業務上死亡した場合、使用者は遺族に対し平均賃金の1,000日分の遺族補償と60日分の葬祭料を支払わなければならない。

労働時間の原則
 1日8時間以内、週40時間以内。

休憩時間の原則
 労働時間が6時間を超える場合45分、8時間を超える場合1時間以上を労働時間の途中に原則として一斉に与えねばならない。休憩時間は、いかなる制約もかけてはならない。
*4

休日の原則
 毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。ただし、4週間を通じ4日以上の休日を与える場合この限りでない。

割増賃金
 通 常 時  残  業
(時間外)
深夜労働
22時〜翌5時
労 働 日
(休日以外)
−−−   25%*5    25%
休    日   35%   −−−    60%
(35%+25%)

労働時間・休憩・休日規定の適用除外
 下記の者は労働時間・休憩・休日規定の適用から除外する。
@土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業、動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業
A監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
B監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの


年次有給休暇
 雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続しまたはは分割した10日の有給休暇を与えなければならない。 その後1年経過ごとに下表の日数を加算し与えなければならない。
  基本 付加日数(6ヶ月経過後)
経過年月 6ヶ月 1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年
付与日数 10日  1日  2日  4日  6日  8日 10日
3年6ヶ月経過すると基本10日+付加4日で14日となる。
 定められた1年間の労働日数が全労働日の8割未満の者にはその該当年度の次の年度に関してのみ年次有給休暇を与える必要はない。

未成年者・女性
 18才未満の者を就労させる場合、年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない。
 就労者が未成年者であっても、親権者又は後見人は労働契約・賃金の受領等の代理行為をしてはならない。
就業制限業務 18歳
 未満
16歳
 未満
女 性
妊婦 産婦 一般
重量物取り扱い
上段:男
下段:女
断続作業
12kg
継続作業
 8kg


× ×
15kg 10kg

×
× ×
25kg 15kg
×
×
× ×
30kg 20kg
×
×
×
× ×
鉛・水銀等毒物、爆発物、有毒ガス、蒸気、粉塵を発する場所 × × × × ×
坑内労働で人力による掘削・その他の女性に有害な業務として
厚生労働省令で定めるもの
× × × × ×
坑内労働で人力による掘削・その他の女性に有害な業務として
厚生労働省令で定めるもの以外
× × × ×
削岩機、鋲打機等身体に著しい振動を与える機械器具を用いる × × × ×
運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油
、検査若しくは修繕、ベルト若しくはロープの取付
× × ×
多量の高温または低温物体取扱い、異常気圧下 × × ×
クレーン、デリックまたは揚荷装置の玉掛(補助は除く) × × ×
足場の組立・解体・変更(補助は除く) × × ×
吊上げ荷重5t以上のクレーン、デリックまたは揚荷装置運転 × × ×
高さが5m以上で墜落の恐れのある場所 × × ×
土砂崩落の恐れがある場所、深さ5m以上の地山 × × ×
ボイラー取扱い ×
ボイラー溶接 ×
著しく暑熱または寒冷な場所 ×
動力駆動の土木建築用機械・船舶荷扱用機械の運転 × ×
△は本人が従事しない旨を申し出た場合、就業させてはならない。

育児
 1歳未満の生児を育てる女性は、休憩時間のほか1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求できる。

就業規則
 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届出なければならない。作成内容は「雇用条件の提示」の表にある項目。

寄宿舎
 事業の附属寄宿舎に労働者を寄宿させる使用者は、下記事項について寄宿舎規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。
 @起床、就寝、外出及び外泊に関する事項
 A行事に関する事項
 B食事に関する事項
 C安全及び衛生に関する事項
 D建設物及び設備の管理に関する事項
寄宿舎規定
 @大便所の数は15人までに1ヶ所
 A廊下の幅は寝室がその廊下の片側にある場合1.2m以上、両側にある場合1.6m以上。
 B窓は有効採光面積が部屋の床面積の1/7以上。
 C非難口は2ヶ所以上。

裁定規定の制限
 減給の制裁を定める場合、その金額は1回の額が平均賃金の1日分の半額以下、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1以下。

記録の保存
 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。


*1 時間外・休日出勤に関する協定のこと。労働基準法の第36条に規定されていることから「36
  協定」と呼ばれるようになった。

*2 労働者を2組以上に分けて交替勤務させる場合の交替日や交替順序等。

*3 直前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割った金額。

*4 かなり勘違いが多いのがこの条文。8時間労働の場合、法解釈上は休憩時間45分以上が正解。

*5 残業が深夜に及ぶ場合25%(残業)+25%(深夜)=50%となる。ただし、休日労働には
  時間外の概念はなく適用しない。